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デジタルサイネージとは?活用方法や事例のご紹介

作成者: author|2022/04/28
 最終更新日:2024年1月31日
 

店頭や交通機関でのモニター画面を使ったデジタル広告や、市役所や病院といった公共空間で、モニターを使った情報発信を目にする機会が増えてきました。モニターをはじめとした電子機器で、情報発信するメディアを総称して、「デジタルサイネージ」と呼びます。

今回は、デジタルサイネージの特徴やメリット、実際の事例を記載した後、AIを組み合わせてデジタルサイネージをより効果的に使う例をご紹介します。
デジタルサイネージをビジネスに活かすためのヒントになれば幸いです。

デジタルサイネージとは

デジタルサイネージはデジタルモニターの看板です。
サイネージは看板という意味です。スーパーやショッピングセンターにあるものや、ターミナル駅にある電車の遅延を知らせるもの、役所や病院のご案内モニターとして設置されているものなどがデジタルサイネージの一例です。

デジタルサイネージは、従来は単純に「デジタルモニターを使ったご案内板」というものでしたが、効果測定ができないために十分な効果があるのかどうかが不明瞭でした。

しかし、近年ではデジタルサイネージやその周辺にAIカメラを設置することで、近くにいる人に合わせたコンテンツを自動で出し分けできるようになるまで進化しています。AIカメラで人物の性別や年齢といった属性の分析、時間帯別に店舗の来客数の測定、入店者がコンテンツを見ている時間を測定することで効果測定もできるようになりました。広告への活用だけでなく、商業施設や交通機関の混雑具合を知らせる、緊急時の災害情報を知らせる、社内での周知事項や共有情報を伝えるといったメディアとしての役割にも応用されています。

図1 デジタルサイネージ広告市場規模推計・予測

市場規模も今後大きく拡大していく見込みで、株式会社CARTA HOLDINGS株式会社デジタルインファクトが共同で実施したデジタルサイネージ広告市場に関する調査によると、2021年のデジタルサイネージ広告市場規模は594億円の見通し(前年比114%)となり、2025年には現在の約2倍となる1,000億円規模の市場となる予測がされています(図1)。

情報表示と効果測定が同時に行えるデジタルサイネージは、広告プラットフォームとして取り入れることが推奨される技術であると言えるでしょう。

デジタルサイネージの中で、センサーやカメラ、マイクなどを利用して近くの人の属性を判断し、適切な広告やご案内を表示させるタイプのものをセンシングサイネージ、タッチパネルやAIを通じてユーザーが何らかのアクションを起こすことができる、双方向のコミュニケーションが可能なものをインタラクティブサイネージと呼びます。

デジタルサイネージのメリット

デジタルサイネージは紙媒体の広告やご案内にはないメリットがあります。

・動く広告やご案内は目に留まる
人は動くものに注目します。広告やご案内は人々の目に留まることではじめて効果を発揮するものですので、シンプルなことながら注目を集めやすいものであることは非常に重要です。上記で説明したように、デジタルサイネージでは人物に合わせた広告やご案内の表示や、動画の表示も可能です。表示内容の切り替えや動画広告を表示することで人の目に留まりやすくなります。

・広告やご案内ごとに場所を設けずに省スペースで宣伝や告知が可能
看板やポスターでは、広告ごとに設置場所を確保しなければいけません。しかし、デジタルサイネージではひとつの画面上で広告の切り替えが可能です。省スペースでさまざまな広告表示が可能であることはデジタルサイネージならではのメリットです。

・表示の切り替えが容易で広告制作から掲載までが早い
ポスターであれば、印刷という工程が必須になります。しかし、表示する広告の切り替えが可能なデジタルサイネージであれば、データさえあればすぐに掲載できます。ポスターの印刷や運搬といった工程を省略できるのでコストカットや環境への配慮も期待できます。
また、シーンに合わせた情報発信がリアルタイムでできる点でも優位性があります。

・Web広告のように見る人を推定して適切な広告を表示できる
動画サイトやWebサイト上に表示される広告は、ランダムに表示されているわけではなく、PCやスマートフォンで検索したことや表示したサイトと関連性があるものが表示されています。AIカメラと組み合わせたデジタルサイネージでは、カメラに映る人物の属性に合わせた広告表示が可能です。そのため、デジタルデバイスを通さないリアルな世界でも、Web広告のような効果を狙うことができます。

デジタルサイネージの広告切り替えのイメージ(20代女性)

デジタルサイネージの広告切り替えのイメージ(30代男性)

デジタルサイネージの事例

デジタルサイネージは既にさまざまな業界・業種で採用されています。
ここでは店舗で使用されている例を紹介します。

・飲食店
飲食店のデジタルサイネージでは、注文受付カウンターの上に設置してメニューを表示させることが多いです。メニューを大きく表示すればお客様にとって分かりやすく、注文時の時間の短縮が狙えますし、期間限定メニューのPRも可能です。また、調理シーンの動画を流すといったデジタルサイネージならではの使い方もあります。

・自動車ディーラー
自動車ディーラーへは、予約をして来店するのが一般的です。そのため、ホワイトボードに予約者の名前を書き出したり、用紙に印刷したりして、ウェルカムボードとしている店舗は多いです。しかし、予約時間の変更や急な当日予約があるとホワイトボードに手書きや再印刷で修正することが難しい場合もあります。デジタルサイネージであれば情報の追加や並べ替えもリアルタイムで可能ですので、このような課題が解決できます。

・旅館や宿泊施設
自動車ディーラーと同様に、旅館もウェルカムボードで予約者の名前をご案内していることが多いです。こちらも急な予約やキャンセルがあればウェルカムボードへの反映が難しいケースがあります。お客様のおもてなしの場所である旅館で、予約をしたにも関わらず自分の名前がなければ、たとえ急な予約だとしても残念に思う方もいるでしょう。デジタルサイネージを活用すれば、おもてなしの質を向上させることができます。

・アパレルショップ
AIカメラと組み合わせたデジタルサイネージを用いて、お客様の年代や性別を予測すれば、実際の来客層に合わせた商品展開が可能です。また時間帯別の人数を把握することで、店員の適切なシフト調整にも役立てることができます。

デジタルサイネージ導入時の注意点

AIカメラ機能が組み込まれたデジタルサイネージを導入する際に注意したいのはプライバシーの問題です。また、防犯カメラとは異なる、販売促進の意味合いでカメラで撮影されていることに抵抗がある方もいるかもしれません。

IoT推進コンソーシアムと総務省・経済産業省が策定した「カメラ画像利活用ガイドブックver2.0」では、カメラ画像の取得を始める前や、実際に取得を実施する際に、顧客が容易にカメラ画像の利用目的や利用方法を理解でき、必要に応じて運営主体へ問い合わせができるように必要な情報を「事前に告知すること」と「カメラ撮影中であることを通知すること」が重要とされています。

カメラで人物を撮影する際は個人を特定してしまうとプライバシーの面で問題があります。しかし、撮影データをそのままクラウドに送るのではなく、端末(エッジ)側で一定の処理をし、クラウドには属性情報だけ送ることでプライバシーの問題はクリアできます。
従来のようにデータをすべてクラウドに送るのではなく、端末側で一定の情報の処理や解析を行い、必要な情報のみをクラウドに送ることを「エッジコンピューティング」と呼びます。またエッジコンピューティングにAIを搭載し、情報の処理・解析のみならず、学習・推論までをさせる技術が「エッジAI」です。

顧客連動型デジタルサイネージをActcastで

AIカメラで人物の属性検知をし、属性に合わせた広告表示をすると、顧客連動型のデジタルサイネージになります。販促物の効果測定が可能になることで、来客者に刺さるプロモーション戦略が立てられます。デジタルサイネージは、今後ますます市場が活性化していくツールであり、Web広告と同様の効果が期待できる広告展開を実店舗でも可能にするものです。

また、従来のデジタルサイネージはコンテンツを表示させるSTB(セットトップボックス)やUSBメモリが必要になるケースが多かったのですが、当社が開発・運営している国内シェアNo.1のエッジAIプラットフォーム「Actcast」では、顧客連動型デジタルサイネージのご利用にSTBやUSBメモリなどの外付けハードウェアは不要です。デジタルサイネージに加えて、Actcastに対応したAIカメラ(取付工事不要)を設置するだけで顧客連動型のデジタルサイネージがご利用いただけます。サイネージに映すコンテンツ(広告やご案内)を変更する際にもハードウェアの中身を差し替える手間なく、遠隔でのアップデートが可能です。

デジタルサイネージの活用に興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にお問合せください。

【国内シェアNo.1について】
デロイト トーマツ ミック経済研究所 『エッジAIコンピューティング市場の実態と将来展望 2022年度版』(https://mic-r.co.jp/mr/02530/)  「エッジAIプラットフォームのベンダシェア(台数)」の調査結果による