エッジAIで引き出す生成AIの可能性
セッション:エッジAIとは

エッジAIで引き出す生成AIの可能性~Ideinが描く未来像~

2024年12月18日(水)、Tokyo Innovation Baseにて開催されたIdein株式会社主催のイベント「エッジAIで引き出す生成AIの可能性~体験型展示&導入事例セッション」。
本イベントは、エッジAIや先端技術に高い関心を持つ多くの参加者で賑わい、Ideinが切り拓くAIの新たな地平に注目が集まりました。
本記事では、Idein株式会社 代表取締役CEO 中村晃一氏による基調講演を中心に、イベントで語られたエッジAIの最前線と、私たちのビジネスや社会にもたらす変革の可能性をコンテンツとしてお届けします。

 

リアルイベントの様子
リアルイベントの様子
リアルイベントの様子

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なぜ今「エッジAI」なのか?デバイスで完結するAI処理のインパクト

クラウドAIがデータを中央集権的に処理するのに対し、エッジAIはスマートフォンやAIカメラといったデバイス自体、またはその近傍でAI処理を完結させます。これにより、以下のような顕著なメリットが生まれます。

 

■プライバシー保護の向上

個人情報などのデータを外部に送信することなく、ローカルで安全に処理できます。

 

■通信・インフラ負荷の軽減

データセンターへの負荷集中や通信帯域の圧迫を回避し、電力消費の抑制にも貢献します。

 

■低遅延処理の実現

      自動運転やロボット制御など、即時性が不可欠なアプリケーションにおいて、遅延のない高速処理を可能にします。

 

特に、ChatGPTに代表される生成AIの登場は、エッジAIの可能性をさらに押し広げました。
これら技術の融合により、2030年にはエッジAI市場が数兆円から数十兆円規模へと成長すると予測されています。

 

Ideinのコア技術:エッジAIプラットフォーム「Actcast」Ideinのコア技術:エッジAIプラットフォーム「Actcast」

Ideinが開発・提供する「Actcast」は、AIカメラやAIマイクといったエッジデバイスを活用したソリューションの迅速な構築と大規模な商用展開を実現するプラットフォームです。 すでに170社を超えるパートナー企業とのエコシステムを形成し、物理空間の可視化や自動化といった多様なニーズに応えています。 「Actcast」が可能にする代表的なソリューション事例 リテールメディア革新(ファミリーマートビジョン) 伊藤忠商事株式会社との協業により、全国のファミリーマート約数千店舗に設置されたAIカメラが、視聴者属性や視聴時間をエッジで解析。 映像データをクラウドに送ることなくプライバシーに配慮した形で広告効果測定などを実現しています。

 

「Actcast」が可能にする代表的なソリューション事例

■リテールメディア革新(ファミリーマートビジョン)

伊藤忠商事株式会社との協業により、全国のファミリーマート約数千店舗に設置されたAIカメラが、視聴者属性や視聴時間をエッジで解析。 映像データをクラウドに送ることなくプライバシーに配慮した形で広告効果測定などを実現しています。

 

■店舗オペレーションの高度化(大手携帯キャリア)

全国約2,000店舗、8,000カウンターにAIマイクを導入。 顧客対応時の会話をAIがリアルタイムで解析し、応対品質の向上やコンプライアンス強化(カスタマーハラスメント対策など)に貢献。 店舗スタッフは特別な操作をすることなく、AIが必要な情報のみを自動で記録・分析します。

 

「Actcast」の真価は、単にAIモデルを動かすだけでなく、プライバシー保護機能の実装、通信コストやサーバリソースの最適化、開発・運用プロセスの簡略化、そして大規模運用に不可欠なシステムの安定性・信頼性(遠隔監視、セキュリティ対策など)までを包括的に提供する点にあります。 これにより、導入企業はインフラ構築の負荷から解放され、本来注力すべきソリューションの価値創造にリソースを集中できます。

エッジAIプラットフォーム「Actcast」
エッジAIプラットフォーム「Actcast」
エッジAIプラットフォーム「Actcast」

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生成AIが変えるAI開発の常識 「LLM App on Actcast」

本イベントで特に注目を集めたのが、生成AI技術をエッジAI開発に応用するIdeinの革新的なアプローチ「LLM App on Actcast」です。 従来のAI開発では、大量のデータ収集からアノテーション、モデル学習、評価に至るまで、膨大なコストと開発期間が避けられませんでした。 Ideinが提案する新手法は、この常識を覆します。

 

■自然言語による直感的なAI構築

「車椅子利用者を検知して通知」「店内の異常を報告して」といった日常的な言葉(プロンプト)で指示するだけで、高度な画像・音声解析AIを現場に実装できます。

 

■開発コストと期間の劇的削減

従来であれば数百万円規模の初期費用と数ヶ月の期間を要した特定用途のIA開発が、実質的にコストゼロ、かつ即座に試行可能になります。 これにより、例えば「特定の色の服を着た人の数をカウントする」といった、従来は複雑な開発プロセスが必要だったタスクも、自然言語での指示のみで実現できます。

 

■既存設備へのAI機能の後付け

既に設置されている監視カメラなどのIPカメラにも「LLM App on Actcast」を接続するだけで、高度なAI機能を手軽に付加できます。

 

■PoC(概念実証)の超高速化

本格的なAI開発投資を行う前に、生成AIを活用して迅速かつ低コストにアイデアの価値を検証。 これにより、開発の手戻りリスクを大幅に削減し、イノベーションのサイクルを加速します。

 

クラウドベースのLLM利用には、API利用料やプライバシーに関する懸念が伴いますが、Ideinのソリューションでは、エッジAIが「いつLLMを呼び出すか(例:人の動きを検知した時のみ)」 「どのような情報をLLMに送るか(例:個人情報をマスキング処理)」といった点をインテリジェントに制御することで、これらの課題を巧みにクリアします。

生成AIが変えるAI開発の常識 「LLM App on Actcast」
生成AIが変えるAI開発の常識 「LLM App on Actcast」
生成AIが変えるAI開発の常識 「LLM App on Actcast」

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未来への布石 エッジ完結型AIと新技術「CLIP」の可能性

Ideinの視線は、さらにその先へと注がれています。将来的には、生成AIの処理を含めた全てのAI機能をデバイス上で完結させることを目指しています。

これが実現すれば、クラウド利用に伴うコストやプライバシーの制約から完全に解放され、より多くの人々が、より手軽に、そしてより安全にAIの恩恵を享受できる世界が到来します。

この壮大なビジョンに向けた重要な一歩として、OpenAIによって開発された画像・テキスト間の関連性を理解するマルチモーダル基盤モデル「CLIP」を、Actcastデバイス上で動作させることに成功したと発表されました。

「CLIP」技術の活用により、特定のAIモデルを事前に学習させることなく、テキストで指示するだけで様々な物体や状況を画像から高精度に認識・分類することが可能になります(ゼロショット学習)。

例えば、「転倒している人物」「歩行中の人物」といったテキストラベルを設定するだけで、カメラ映像から該当するシーンをリアルタイムに識別できます。 これは、AI開発のさらなる効率化と低コスト化を促進する画期的な成果と言えるでしょう。

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まとめ Ideinと共に、AI活用の新たなステージへ

「エッジAIで引き出す生成AIの可能性~体験型展示&導入事例セッション」は、Idein株式会社がエッジAI技術を核に、生成AIという強力な触媒を得て、いかに実世界のデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させようとしているかを具体的に示す場となりました。

 

本イベントでは、アイシン様、清水建設様、伊藤忠様による導入事例セッションも行われ、各産業分野での具体的なエッジAI活用事例が紹介されました。

 

当日のセミナーの様子を動画でご覧いただけます。

Ideinが提示するエッジAIと生成AIの融合がもたらす未来を、ぜひ映像でご体感ください。

Ideinが提供する「Actcast」プラットフォームと、それを活用した革新的なソリューションは、多くの企業にとってAI導入のハードルを劇的に下げ、これまで見過ごされてきた現場の課題解決や、新たな価値創造の扉を開くものです。

 

ご興味をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にお問い合わせいただくか、詳細資料を請求いただきIdeinのソリューションが貴社のビジネスにもたらす可能性をご確認ください。