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今さら聞けない ~「エッジAI」とは?~

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最終更新日:2023年12月12日

今回のブログテーマは「エッジAI」です。「AI」は以前から言葉としては馴染みがあるものの「エッジAI」となるとまだまだ世の中に広く知られたワードとは言えないのではないでしょうか。

そんな「エッジAI」ですが、実はその技術はすでに身近の様々な場面で使われており、無くてはならないものになっているのです。今回は「今さら聞けない エッジAIとは?」と題して、改めてIdeinの取り組んでいるエッジAIについてお話しようと思います。

エッジAIが実現するDX

さまざまな分野でDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が叫ばれています。DXとはデジタル技術を活用してビジネスプロセスを変革することを言いますが、デジタル化の難しい業界における切り札となる技術がエッジAIです。エッジAIについては、後ほど詳しく説明しますが、すでに小売業や製造業などでは、エッジAIを活用したDX事例が多数存在します。

その代表的な事例を2つご紹介します。

エッジAIを活用したDX事例 その①「小売業」

ある小売店には、来店するお客さんの数は多いのに、売上げに繋がってないという悩みがありました。そこで、店内にエッジAIを活用したAIカメラを設置し、お客さんの性別や年代を判定するアプリを導入しました。その結果、どのようなお客さんが店内に長く滞在しているかが分かり、その層をメインターゲットとして意識して店内の装飾やBGMを変えたところ、売上げが向上しました。さらに、商品開発、店舗運営、マーケティング等の施策をデータに基づいて立てるようにすることで次々と成果をあげることに成功しました。

エッジAIを活用したDX事例 その②「製造業」

製造業の事例としては、ある工場内でアナログメーターを目視で巡回確認する必要があり、24時間常時監視を行うには、多くの人員が必要で手間やコストが嵩むという問題がありました。そこで、アナログメーターのそばにAIカメラを設置し、自動的にメーターの数値を読み取ってデータ化する仕組みを構築しました。その結果、巡回する人員が不要になり、手間やコストを大きく削減できただけでなく、異常を検知したら通知を送って即座に対応できるようになったため、ダウンタイムが削減され、生産性も向上しました。さらに蓄積されるデータを活用すれば、異常の事前検知なども可能になります。

このように、エッジAIを活用することで、従来は難しかったものもデータ化し、事業や人々の暮らしに変革をもたらすDXを実現できるのです。今後は農業や水産業などでもエッジAIの活用によるDX化が進むことが期待されます。

エッジコンピューティングとは

それでは、エッジAIについて説明しましょう。エッジAIを理解するには、まず、エッジコンピューティングについて知る必要があります。エッジとは「端」を意味する単語ですが、エッジコンピューティングとはネットワークの端となる手元のデバイス(スマートフォンやPC、センサーなど)や、その近傍に配置されたサーバーで処理を行う構成のことです。
エッジコンピューティングと対になる言葉がクラウドコンピューティングで、こちらはエッジ側で取得した情報をネットワーク経由でクラウドに送り、クラウド(データセンター)で処理を行う構成のことです。

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エッジAIとは、エッジコンピューティングの一種であり、エッジでAI処理を行い、クラウドとの通信を極力減らす仕組みのことです。以前のAI処理は、クラウドにデータを送ってクラウド側で処理をおこなうクラウドAIが主流でしたが、データの通信やクラウドでの処理に要するコスト、未処理のデータを送信することによるプライバシーのリスク、通信の遅延の問題などの解決のため、エッジAIに注目が集まっています。

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エッジAIのメリット

エッジAIは、収集したデータに対してその場でAI処理を行うため、クラウドでAI処理を行うクラウドAIと比べて、次のようなメリットがありますので順に詳細を説明していきます。

  • 通信コストを削減できる
  • 低遅延処理が可能
  • プライバシーリスクを低減できる

通信コストを削減できる

クラウドAIでは、カメラやセンサーで収集したデータをすべてクラウドに送ってAI処理を行うため、通信量が多くなります。クラウドにデータを送ると、通信コストが嵩んでしまいますが、エッジAIならエッジ側で処理を行うため、取得したデータをすべて送る必要がなく、通信コストを大きく削減できます

低遅延処理が可能

クラウドAIでは、エッジ側で収集したデータをクラウドに送ってクラウド側でAI処理を行い、その結果を再びエッジ側に送ることになりますので、通信によるタイムラグが生じ、結果を受けとるまでにある程度の時間がかかってしまいます。そのため、素早い処理が要求される自動車の自動運転や工場のラインでの不良品判定などには向いていません。エッジAIなら、その場で処理が行えますので、そうした超低遅延化が必要な用途にも対応できます。

プライバシーリスクを低減できる

クラウドAIでは、未処理の画像や音声などのプライバシー情報をクラウドに送信して処理しますので、情報の流出や悪用のリスクが存在します。エッジAIの場合には、解析済みの必要最小限のデータのみを送信しますので、そのようなリスクを低減することができます。

その一方で、エッジAIには、導入の際の課題も存在します。それが、コストの壁運用の壁です。高度なAI処理を行うには、エッジ側も高性能なデバイスが必要になりますので、導入コストがかかります。これがコストの壁です。また、複数の現場があったり、本社と現場が離れていたりする企業がエッジAIを導入して課題を解決しようとした場合、全国にある店舗や工場などに大量のデバイスを設置して、データを収集・分析する必要があります。これを実際に行おうとすると、膨大な数のデバイスの管理・運用だけで行き詰まってしまいます。これが運用の壁です。

低コストでエッジAIを実現できる「Actcast」

このように、エッジAIはさまざまな分野で活用できる非常に有用な技術ですが、導入にはハードルも存在します。Ideinが開発したエッジAIプラットフォーム「Actcast」なら、こうしたエッジAI導入の壁を打ち破ることができます。

例えば、大規模な工場でエッジAIを利用した不良品判別システムを導入する場合、端末として使ったエッジAIでは、1台あたり数十万円のハードウェアコストがかかり、数が増えると管理も大変になります。それに対し、Actcastは、数千円で販売されているRaspberry Piを利用してエッジAIを実現できることが特徴で、デバイスの数が増えても遠隔から一括管理が可能なため、導入時のイニシャルコストと管理コストを大きく低減できます。

また、Actcastは、スマートフォンのアプリストアと同じようなマーケットプレイス機能も兼ね備えており、さまざまなAI機能がアプリケーションとして提供されています。目的に応じて、柔軟にアプリをインストールして使えますので、開発工数も大きく削減できます。ランニングコストもアプリ利用料と通信料のみですみますので、従来ベースのエッジAIに比べて、トータルコストが遙かに安価に抑えられますので、導入ハードルが低いことが魅力です。

ActcastはエッジAIプラットフォームとして高い評価を得ており、累計登録台数は16,000台を突破し、パートナー企業も160社を超えています(2023年11月時点)。エッジAIを活用して自社の抱える課題を解決し、業務のDX化を実現したいと考えている方は、エッジAIにまつわるあらゆる課題を解決できるActcastの導入を考えてみてはいかがでしょうか。

> Actcastについて話を聞いてみる


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